■ジューンブライドって
6月になった。
ジューンブライドという言葉、今もあるのだろうか。
梅雨のど真ん中に花嫁になりたい人がそんなにいるとは思えないけれど、
ブライダル業界が簡単に手放すはずもない。
娘が入籍した。
結婚式はなし。新婚旅行もなし。
二十代半ばから5年以上同棲していた同い年の彼と、
ただ籍を入れた。
住む場所も変わらない。
苗字以外は何も変わらない。
新婚旅行も後から国内をのんびり旅したくらいだ。
今どきだな、と思った。
むしろ合理的でいいな、とも思う。
夫側の姪と甥、私側の姪と甥。
合わせて4人いるが、結婚式を挙げたのはそのうち1人だけだ。
もはや挙げる方が少数派になりつつあるのかもしれない。
親としては少し寂しい気持ちもある。
花嫁姿を見たい気持ちがなかったと言えば嘘になる。
でも考えてみれば、私たちの世代の派手な結婚式と、
その後の結婚生活は別の話だった。
豪華な会場も、大勢の招待客も、
夫婦円満を保証してくれるわけではない。
生きた証拠がここにいる。
私である。
■結婚祝いの金額
さて、お祝いをいくら渡すか問題だ。
私の頭の中では100万円だった。
どうせいつかは娘たちに渡るお金である。
だったら人生の節目に渡したい。
娘はフリーランスのデザイナーだ。
収入は月によって波がある。
人付き合いも多く、出費もそれなりにある。
結婚祝いという名目の、
こっそり生活応援資金でもあった。
そこで昭和人間の夫に相談した。
すると即答だった。
「そんなに渡してもすぐ無駄使いするだろ」
「また何か必要な時に渡せばいい」
「30万で十分だ。式も挙げないんだし」
……結果。
30万円になった。
財布を握っているのは私だ。
家計を管理しているのも私だ。
投資をしているのも私だ。
主導権は私にある。
そう思っていた。
思っていたのだが。
気づけば夫の言い値に着地している。
これが何十年も繰り返されてきた我が家のパターンだったことに、
今さら気づいた。
私も案外、昭和だったのである。
■私の場合
そういえば私が結婚した時、
母からいくらもらっただろう。
ほとんど記憶にない。
たぶん大した額ではなかったと思う。
いやもらってないかも。
でも後になってマンション購入の時に
少し助けてもらった。
あの時は本当にありがたかった。
■結婚式の後の方が長い
人生は結婚式の日だけではない。
その後の方がずっと長い。
今回は30万円で許しておくれ。
残りはまた、何かの節目に。
人生の節目は、結婚だけじゃないからね。

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