小金持泰子〜汗も涙も流さず静かに資産を増やす〜

必死に働いて節約もしてきた。それでも老後の不安は消えなかった。だから私は投資という選択肢を取った。投資(勿論、NISAも活用)と少しの現金で、静かに資産を積み上げている。汗も涙も流さない主義。だって、お化粧が崩れてしまうわ。

200万円のお仏壇が教えてくれた

■ 相談なしに、やってきた

義父が亡くなったとき、義母が仏壇を買った。
200万円の、金ピカで、まあまあ大きな仏壇。
その義母も亡くなり、ある日、お仏壇が我が家にやってきた。
事前の相談は、一切なかった。
「俺は長男だから」
夫の言葉は、それだけだった。
私たちが住むのは、80平米弱のマンション。
しかもその少し前、和室をリフォームして、
フローリングの広々としたリビングにしたばかりだった。
インテリアに合うコンパクトなものに買い替えてほしい、とお願いしてみた。
けれど、夫に聞く耳を持たれなかった。
「200万円だぞ。買い替えなんてありえない」
そうですか。

■ 供えろ、供えろ

それから我が家では、
何かにつけてお仏壇が最優先になった。
頂き物があれば、まず供えろ。
食事の前に、まず供えろ。
何をするにも、まず仏壇。まず仏壇。仏壇。仏壇。仏壇。
子どもたちは、あからさまに不満そうな顔でお供えをするようになった。
めんどくさそうに手を合わせ、さっさとその場を離れる。
ご先祖様への感謝を力づくで叩き込もうとした結果が、
これだった。

■ ご先祖様は、本当にバチを当てるのか

ところで私はずっと、ある違和感を抱えていた。
「ご先祖様を大切にしないとバチが当たる」
という世間の脅し文句への、根っこからの違和感。
かつてテレビで一世を風靡した占い師も、盛んに言っていた。
ご先祖様を大切に、と。
それはそうだ。そこは分かる。
でも立ち止まって考えてみてほしい。
自分の子どもや孫、その先を生きる子孫たちの不幸を願うご先祖様なんて、
本当にいるだろうか。
私がもし、あちら側の住人になったとしたら、

「まず私に美味しいものを供えなさい」
「もっと私に感謝しなさい」
「さもなくば、バチを当てるわよ」

――愛おしい、可愛い自分の子孫に向かって、そんなことを思うだろうか。
思わない。絶対に、思わない。
「バチを当てるご先祖様」というのは、
一体だれの都合で作られたファンタジーなのだろう。

■ 信心は、強制では育たない

子どもたちは今、すっかり大人になった。
お仏壇の話になると、呆れたようにこう言う。
「そこまでご先祖様に感謝しなきゃいけないなら、お父さんが一人でやればいいじゃん」
義務と強制のなかで、信心は育つどころか、静かに息絶えていった。

200万円のお仏壇は、今日も変わらず金ピカのまま、
私たちのリビングの一角に、所在なさげに鎮座している。

そして時々私は思う。
あの200万円は、一体誰のためのお金だったんだろうと。


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