小金持泰子〜汗も涙も流さず静かに資産を増やす〜

必死に働いて節約もしてきた。それでも老後の不安は消えなかった。だから私は投資という選択肢を取った。投資(勿論、NISAも活用)と少しの現金で、静かに資産を積み上げている。汗も涙も流さない主義。だって、お化粧が崩れてしまうわ。

20年で800万円、貢いだ相手の正体

◼️「ねえ、本当に車いる?」——奇跡の神立地に住みながら

世の中には「車がないと生きていけない街」がある一方で、「車を持っている方が不自然な街」も存在する。
我が家がまさに、後者であった。

住んでいるのは、地方都市の主要駅まで10分、
しかも乗り換えなしで行ける駅がふたつも徒歩圏内にあるマンションだ。
徒歩3分圏内を見渡せば、
スーパー、ドラッグストア、コンビニ、ダイソー、ニトリ、病院、ファミレス、回転寿司、
そしてコメダ珈琲店まで揃っている。
もちろん銀行も選び放題。

そんな神立地に住みながら、我が家は長年、当たり前のように車を所有し続けていた。


◼️家族全員「運転嫌い」という、致命的な矛盾

子どもが小さい頃こそ、ちょこちょこと乗る機会はあった。
しかし、子どもが大きくなるにつれて、我が家の本質がむき出しになる。

我が家は、家族全員が致命的なほど運転嫌いなのだ。

どこへ行くにも電車、普段の買い物は徒歩か自転車。
そうなると、車はただ立体駐車場に鎮座する「重厚なオブジェ」と化す。
ここ5、6年に至っては、一年に2度か3度、乗るだけ。

しかも、お出かけのためではない。
「あまりに乗らないと車が壊れるから、無理やり動かす」という、
本末転倒なちょい乗りであった。

最悪なのは冬場だ。
「バッテリーが上がったら困るから」と、夫が月に1回、寒空の下、
わざわざ立体駐車場まで行って「エンジンをかけるだけ」の謎の儀式を執り行っていた。

何のために駐車場代を払い、何のために車をケアしているのか。
もはや、車の下僕であった。


◼️査定業者が絶句した「20年で2万キロ」の真実

そんな我が家も、3年前にようやく正気に戻り、
思い切って車を手放す決断をした。
20年連れ添った、新車価格300万円弱だった愛車だ。

手放す際、査定に来た業者さんが驚愕した事実がある。

「20年で、走行距離2万キロちょっと」

普通なら2年ほどで走ってしまう距離を、20年かけて走った計算になる。
車関係者からすれば「新古車をそのままタイムスリップさせたのか」
というレベルの衝撃だったらしい。

20年落ちの超高齢車。
普通なら、こちらがお金を払って引き取ってもらうところだ。

ところが、ここで奇跡が起きた。

ちょうど3年前は、世界的な半導体不足で新車の納期が数年待ちになり、
中古車バブルが起きていた時期。
「今すぐ動く車」が喉から手が出るほど欲しい市場において、我が家の「ほぼ眠っていた20年モノ」に、
まさかの10万円の値がついた。

さらに、グルメ券やQUOカードで6,000円分のおまけ付き。

お金を取られるどころか、10万円になって、
美味しいものまで食べられるとは。我が家は大歓喜であった。


◼️車を手放して発覚した「年間25万円の上納金」

車を手放してから、本当に現金が貯まるようになった。
乗っていなくても、毎年これだけの固定費が右から左へ流れていたのだ。

マンションの立体駐車場代:月8,000円(年間9万6,000円)
・自動車税:約5万〜6万円
・任意保険・車検代(2年に1回を按分):数万円

合計すると、年間で約25万円。20年間で、約500万円になる。
300万円の車体価格と合わせれば、乗ってもいない車に「総額800万円」近くを貢いでいた計算だ。
ちょっとした高級外車が買えるレベルではないか。

手放した瞬間、肩の荷がすうっと軽くなった。
夫の冬の「エンジン点火の儀式」もなくなり、家計もスッキリ。
手放して3年経つが、「全く、1ミリも不自由していない」。


◼️同じ神立地なのに、なぜか2台・3台持ちのご近所さん

ひとつ、ずっと気になっていることがある。

我が家と同じ「車がいらない神立地マンション」に住んでいながら、
ご近所さんを見渡すと、車を2台・3台所有しているお宅が結構多いのだ。

年間25万円の固定費が2倍・3倍。そこへ日々のガソリン代まで台数分かかる。
一体、家計をどうやりくりされているのだろう……と、
他所様のご事情ながら、余計な心配(と好奇心)が頭をよぎってしまう。


◼️「なんとなく不安だから」——その思い込みを疑ってみると

「みんなが持っているから」「なんとなく不安だから」

その思い込みを一度疑ってみると、驚くほど身軽で豊かな暮らしが待っているものだ。

車の維持費に限らず、「惰性で払い続けている固定費」は、家計の中に意外なほど潜んでいる。
定期的に見直すだけで、年間の手取りは確実に変わってくる。

……と、完璧なミニマリスト風に格好よく締めくくりたいところなのだが。

実は我が家には、車を処分して浮いたお金を吸い込むかのように、
毎月せっせと家賃を貢ぎ続けている「開かずのトランクルーム」という名の聖域(魔窟)が、
しっかり健在している。


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