
投資家デビュー、そして「長期・分散・低コスト」との出会い
2020年1月
私の投資家デビューは激動の幕開けとなった。
ようやくニーサ口座が開設できた頃、私は「山元さん」こと山崎元さんの著書を読み、
投資信託という道も選び始めていた。
山元さんが説くのは、いつだってシンプルで力強い。
「長期・分散・低コスト」。
この三つの原則さえ守れば、素人でもプロと対等に戦えるのだと、
彼は紙面越しに私を励ましてくれた。
ささやかな積立、はじめの一歩
全世界株式にS&P500。
名前を聞いても実態はよく分からないけれど、
とりあえず「広く浅く」分散させるのがいいらしい。
私は、真新しい財布から小銭を貯金箱に入れるような、
そんなささやかな積み立てを始めたのである。
ところが、運命は残酷なタイミングで牙を向いた。
コロナショックーー資産が溶けていく恐怖
新型コロナウイルスの襲来である。
世界中が凍りつき、株価は目も当てられないほどの急降下。
画面を見るたびに、積み立てたはずの資産がみるみると目減りしていく。
文字通り、口から心臓が飛び出しそうな日々。
「長期」で持つのが大事だと頭では分かっていても、
目の前の数字が溶けていく恐怖には抗えない。
今思えば絶好の「買い場」だったけれど、
当時の私はただただ震えることしかできなかった。
怖くて、怖くて……。
あろうことか、月々の積み立て額を、
千円単位にまで、そっと減らしてしまった。
孤独な嵐の中で、それでも「やめなかった」
周りには投資の話ができる友人なんて一人もいない。
夫に相談したところで「それ見たことか」と言われるのがオチ。
(と言うか夫にはほぼ内緒)
私はたった一人で、
真っ暗な嵐の中に立っているような孤独と恐怖を抱え込んでいた。
けれど、そんな弱気な自分を、
今の私は心から褒めてやりたいと思う。
だって、私は「やめなかった」のだから。
全額引き出して逃げ出すこともせず、
細い糸のような千円を、必死につなぎ止めていた。
山元さんの教えを胸に、自分の直感だけを信じて、
嵐が過ぎるのをじっと待ったあの時間は、決して無駄ではなかった。
そうして私は、投資の本当の洗礼を浴び、
少しずつ「本当の投資家」への階段を上り始めたのである。
※本記事は筆者個人の投資経験・考え方をもとに書いたものです。特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
