アラカンの本音
◼️ソイヤ、ソイヤ、ソレ、ソレ あの頃、そんな掛け声が街に響いていた。細眉に剃り込みを入れたいわゆるヤンキーたちが まだ幅をきかせていた時代の話だ。 兄もそんな一人だった。 学生の頃、兄は先生からよく言われたらしい。 「妹を見習え」 その妹が私で…
■ジューンブライドって 6月になった。ジューンブライドという言葉、今もあるのだろうか。梅雨のど真ん中に花嫁になりたい人がそんなにいるとは思えないけれど、 ブライダル業界が簡単に手放すはずもない。娘が入籍した。結婚式はなし。新婚旅行もなし。 二十…
◼️久しぶりに近所のカルディへ行った。 切らしていたお気に入りのドレッシングを買うためだ。 カルディは別に安くない。それなのに、店内はいつも混んでいる。 輸入食品や珍しい調味料を眺めながら店内をぶらぶら歩く。 あの独特の空気が好きな人は多いのだ…
■ 相談なしに、やってきた 義父が亡くなったとき、義母が仏壇を買った。 200万円の、金ピカで、まあまあ大きな仏壇。 その義母も亡くなり、ある日、お仏壇が我が家にやってきた。 事前の相談は、一切なかった。 「俺は長男だから」 夫の言葉は、それだけだっ…
■ 捨てることが、時代になった 10年以上前、近藤麻理恵さんが世界を席巻した。「ときめきますか?」あまりにもシンプルなその言葉は、 片づけ本の枠を超え、人生論になった。 2015年には Time の 「世界で最も影響力のある100人」 にも選ばれた。 片づけが、…
■ その列に、今日も並ぶ いつも行くスーパーに、“レジ名人”がいる。 列が多少長くても、私はその人のレジに並ぶ。 隣が空いていても並ぶ。 なぜなら、結局いちばん早いからだ。 その人のレジ打ちは、見ていて惚れ惚れする。 カゴから商品を取り出しながらバ…
◼️「投資は危ない」と言う夫が、持ち株会だけは信じる矛盾 夫は昭和の価値観をそのまま引きずって生きている人間だ。 「投資は危ない」が口癖で、唯一の例外は勤め先の持ち株会だけ。 ……いや、ちょっと待ってほしい。 勤め先の株を給料天引きで買い続けるな…
五月の心地良い風が吹き抜ける午後、 ふと、2人の「五月」の名前を持つ女性を思い浮かべた。 ひとりはサナエ、高市早苗さん、そしてもうひとりは、 今回の主役、サツキこと片山さつきさんだ。 ◼️神様は、不公平だ 彼女のプロフィールを眺めていると、 神様…
◼️だれが頼んだその点々 私はたしかに「キスだらけの人生」と 打ったはずなのだ。 指先にまで色香を込めて、甘く、うっとりするような一文を。 なのになぜか、変換キーを叩いた瞬間に現れたのは「キズだらけの人生」という、 あまりに救いのない文字列だった…
◼️時間は平等、は本当か 「時間だけは、みんなに平等に与えられている」 よく言われる言葉だ。 その言葉が、ずっと喉に刺さった魚の骨のように、私を不快にさせてきた。タクシーに乗れる人と、乗れない人。 家事を外注できる人と、できない人。 そして、生ま…
結婚して、慣れない家事と仕事の両立に追われていた新婚時代。 あの頃は、バタバタする毎日さえも「あぁ、私、家庭を築いているわ」 なんて、どこかうっとりしながら乗り越えていたものよね。それから子供を授かって、子育てという名の怒涛の日々。 我が子は…
■先生、あなたの人生は何星人でしたか Netflixのおすすめ欄に、懐かしい顔が出てきた。細木数子。 まだ見ていないけれど、ひとつ聞いてみたいことがある——あなたは自分の人生を、どう読んでいたのですか?それはさておき。 「地獄に落ちるわよ」 あの頃、あ…
■ どの世代も、それぞれに「割を食って」きた 私たちが若かった頃は、何をするにも不便で、 決して豊かではなかった。 けれど、なぜか未来だけは根拠なく明るかった。 いい会社に入って定年まで勤め上げれば、 退職金と年金で逃げ切れる。 そんな「昭和の幸…
今日、59歳になった。 お風呂の中で、湯船に沈みながら考えていた。 60歳までに、何かひとつでも成し遂げられるものがあるだろうか、と。 浮かんできたのが、三つ。 国立大学に入学する。 資産を1億円にする。 セレクトショップ兼カフェを持つ。 ……我ながら…
■藤棚の下で気づいてしまった 藤は、きれいだった。淡い紫が風に揺れて、光をやわらかく受け止めている。 あんなふうに、ただ静かに在るだけで美しいものが、 この世にはあるのだと、少しだけ見とれてしまった。けれど、その下にいる私は、少しも自由じゃな…
五十年前、社宅の片隅で 我ながら、つくづく業の深い女だと思う。 実家は古くて、狭くて、薄暗い社宅だった。 自分の部屋など、夢のまた夢。 そんな少女にとって、新聞の折り込みチラシに挟まれた間取り図は、 立派な「現実逃避ツール」だったのである。 お…
還暦前の女が、真夜中に物件を物色している 夫の寝息が規則正しくなったのを確かめてから、私はそっとパソコンの画面を切り替えた。 投資サイトから、不動産サイトへ。「ここのリビング、南向きね。カーテンはリネンにして、ソファはグレー……」声に出さず、…
もし家事育児をすべて外注したら、いくらかかる? もし、私がこなしてきた家事や育児をすべて外注していたら、 一体いくらかかると思っているのかしら。 掃除、洗濯、料理、そしてあの壮絶なワンオペ育児。 それらをプロに頼めば、月数十万、年間で数百万。 …
先日このブログに綴った、朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』の話。 イン・ザ・メガチャーチ [ 朝井リョウ ]思いのほか多くの方に読んでいただいて、「お金と幸せ」の相関関係について、また考え込んでしまった。 そして明日がサンジョルディの日だ…
週末に控えた健康診断、そして静かな後悔週末に健康診断を控えて、私はひとり、静かに後悔している。 隣を見れば、定年した途端に通院が「日課」になった夫がいる。現役時代は「気合で治す」と豪語していた人が、今や内科・歯科の領収書と大量の錠剤を毎月律…
昭和32年生まれの夫という、時代の標本 昭和32年生まれの夫というのは、本当によくできた「時代の標本」である。 現金至上主義、貯金こそ正義、そしてスーパーのチラシへの愛情は、 もはや信仰の域に達している。 定年退職してからというもの、一日の相当な…
私の人生は誰のもの? 三十年以上、家族という組織に人生をフルタイムで捧げてきた。 それはそれで幸せなはずなのに、 ある日ふと、 冷や汗が出るような思いがしたのだ。 このままじゃ私、 死ぬまで誰かのスケジュール帳の 「空きスペース」を埋めるためだけ…